介護用オムツの選び方
排泄は生きいく中で切っても切り離せない存在です。
歳をとっていくと様々な排泄の不安が出てくると思います。
特に介護の場面になると相談しにくい事や、種類が沢山あり、
どれを使っていいか分らないといった悩みがでてきます。
正しい場面できちんとしたものを使用しなければ、出来ることも出来なくなってしまいます。
そうならない為にも、しっかり知識をつけて楽しく快適に生活を送りましょう。
ポイント1 - アウターとインナーについて学びましょう。
- アウター
- 紙パンツや失禁パンツ
- インナー
- 紙パンツにつけるパッド
アウター、インナーそれぞれに、更にいくつかの種類があります。
パンツタイプ(アウター)
- 特徴
- 下着のように履くタイプ。薄型の下着感覚タイプから、しっかり吸収する厚型の長時間タイプまである。
履きやすく利用の抵抗感が少ない。使用後は脇の部分を破って捨てることが可能。 - 適している方、注意点
- 自力または介助があれば歩けたり、立ち座りが可能な人。
太もも周りにすき間ができると横モレの原因になりますのですき間ができない物を選びましょう。
テープタイプ(アウター)
- 特徴
- 後ろから前にテープで固定するタイプ。交換しやすいので介助者の負担が少ない。寝ている状態でも漏れにくい。テープの留め具合でより体にフィットさせる事が可能。
- 適している方、注意点
- 寝て過ごす事が多い方。介助があれば体をベッドから起こせる人。
パッドタイプ(インナー)
- 特徴
- アウターと一緒に併用する事で交換の際にもパンツを脱ぐ手間がなくなり、コスト面でも経済的です。
- 適している方、注意点
- 日中用とおしり部分かワイドになっている夜用があるので、夜しっかり熟睡したい方は夜用を使用しましょう。
パンツ型にはパンツ型のパッドをテープ型にはテープ型のインナーを使用しましょう。
男性用パッド(インナー)
- 特徴
- アウターと一緒に併用する事で交換の際にもパンツを脱ぐ手間がなくなり、コスト面でも経済的です。
男性専用に開発されて包み込むのでモレずに安心してご利用頂けます。 - 適している方、注意点
- 男性用の尿取りパッドになるので、女性の方は使用できません。
フラットタイプ(インナー)
- 特徴
- おむつカバーまたはテープタイプと一緒に使う比較的安価で取替え数が多い方には経済的なタイプ。介助者による交換も楽です。
- 適している方、注意点
- 身体に固定されないので、おむつカバーが必要。寝て過ごすことが多い方に。漏れ防止機能はついてないので単独使用は不可。
ワンポイントアドバイス
- アウターにインナーをつける際に尿の横モレ防止のギャザーがアウターについていますが、インナーはギャザーより小さいものを選びましょう。大きいものをつけるとギャザーが仕事をしなくなり横モレの原因になります。
- アウターとインナーをつける際は、夜間や長時間をつける場合を除き薄型のパンツを使用する事でアウターとインナーを重ねて使用する事による過度のモコモコ感を減らす事ができます。
- ほとんどのアウターは男女兼用の物が多いですが、インナーについては男性用、女性用の物もあります。体格や尿量によっても変わってきます。尿量の目安は1日の尿量の約2~3倍は吸うものを選びましょう。きちんとした尿量を測りたい場合は、一週間程度毎日排尿記録を取るとだいたいの尿量を確認する事もできます。
一般的な尿量は図1をご覧ください。図1 健常者 高齢者 尿の生成 1200~1500cc/日 1100~1200cc/日 1回の尿量 200~300cc 100~150cc 排尿頻度 5~6回/日 8~10回/日 - オムツを嫌がり履かないので布団の上で失禁してしまう、オムツをしているけど漏れて布団を汚してしまうという時には、お尻の下に敷いてお使い頂けます吸水シーツをご利用下さい。
- 汚れたまま替えずにオムツをしていると褥瘡(床ずれ)やおむつかぶれの原因になりますので、おしり用のウェットティッシュやおしりシャワーを使用して常に清潔に保つように心がけましょう。
- 最初からオムツを使用するのではなく、ご本人様の意思を尊重しポータブルトイレや尿器の利用も視野にいれましょう。自力で排泄が出来るのにオムツを使用してしまうと廃用症候群(注1)にも繋がってしまいますので、体の動く部分は無理のない程度で動かすように心がける必要があります。
注1.廃用症候群とは、長期の安静状態(寝たきり)が続くことによる心身の低下の事。
この場合は、オムツの利用により起き上がったり立って動いたりする行動が減る事で筋肉や関節の動きが悪くなりベットから自力で体を動かせなくなる場合が想定されます。
ポイント2 - ご本人様の身体と排泄の状態にあった製品を選びましょう。
普通に生活出来てトイレも行けるけど、
ふとした瞬間や外出時の尿漏れが気になって外に出るのが億劫。
力んだ瞬間や外出先での軽い尿漏れや長時間移動の際のトイレが心配で外に出るのが不安、億劫になる。そんな時には、失禁パッド。
まれに生理用ナプキンを使用される方がいますが、こちらは経血しか吸わず臭いもカバーしてくれないので尿漏れが気になる方は失禁パッドをご利用下さい。吸収容量は20cc~300ccと、使い分けが出来てどの場面でも安心。女性用だけでなく、男性用の失禁パッドもあります。
自分でトイレには行けるけど、トイレが間に合わない。
時々トイレには間に合うが下着を下す際に間に合わない。
自分で歩いたり、付き添ってもらってトイレまでいけるけど、間に合わない事がある。漏らしてしまう。でも紙オムツにはまだ少し抵抗のある方には、下着のように脱ぎはきが出来て、履き心地も下着に近い薄型のパンツタイプの物を選びましょう。アウターと一緒に歩いてもズレにくいインナーを使用すると少量の場合はインナーのみを交換できますので、より安心に経済的にご利用頂けます。
この取扱い商品を見る歩いたり、立ったりはできないけど、座ったままの状態は保てる。
交換する時にズボンを脱ぎはきするのが大変。
座った姿勢が保てる方には、テープ型・パンツ型両方の機能がある2Wayタイプをご利用ください。
パンツ感覚で着用ができてズボンをすべて脱がなくてもテープタイプのように取り外しができるので介助する方の負担も軽減されます。
アウターの中にインナーを使用するとアウターが汚れない限りはインナーのみの交換ですむので経済的にご利用頂けます。
寝て過ごす事が多いので、寝返りを打った時の横モレや長時間の着用によるムレが心配。
寝て過ごす事が多い方には、起き上がらずに交換できるテープタイプのパンツをご利用ください。モレ防止のギャザーがしっかりついた物や、吸収力や吸収量のしっかりしたインナーを使用する事で瞬時に尿を吸収して長時間使用による横モレやムレを防ぎ肌への負担を減らします。
長時間同じ部位の圧迫やムレは、褥瘡(床ずれ)を招きやすくなりますのでこまめなインナーの交換や体位交換を心掛けましょう。
認知症の父が尿取パッドを嫌がり、すぐに外してしまう。
いつ外すか分からず目が離せない。
認知症の方は認知力や判断力が低下する事によりオムツ交換を嫌がる事があります。また、尿取パットの使用に対して不快に感じる方は尿取パッドをいじったり外す事があります。
そのような場合には、尿取パッドがなくてもしっかり吸い取ってくれるパンツタイプの物をご利用ください。
交換の際は、ご本人様の気持ちを配慮して交換する事も大切です。